富野由悠季のススメ




1.同志からの通知

 私たちはまだ、重力の井戸に縛られ、また強化も足りないから、
(携帯)メールという媒体を使って即座に意思の疎通を行う・・・?
皆がニュータイプになれば、メールはおろか携帯電話さえ必要ないね。

 最近の私は、宇宙モード(ある意味深い宇宙モードに引っ張られて人間らしい
生活を数ヶ月できていないが)と言うよりも、刑事ドラマモード(西部警察は中止になって
しまったが)なので、その日は「踊る」ってたのだ。
台場からの快適な脱出は、東京テレポート駅から新木場経由で
実家に戻るのが一番なのである。
翌日は、実家から会社に向かうべくその日は床に就いていた。
すると同志Bから携帯に入電(子メール)!

∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀ メール引用(作成:同志B 無断引用だよ〜) ∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀

<件名>
知ってるかもしれないが

<本文>
今夜の爆笑問題(日テレ24:28〜)は必見!(必緑?)

∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀            メール引用 終         ∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀


半分眠りに落ちていたが、新聞TV欄をチェックに起きあがったのだった。

確かにそこには「富野」という文字が・・・。
見たいという願望よりも、翌日の睡眠不足が心配で再び床に向かった。
先の同志Bには、実家にいて録画できない旨を伝えると、
さすがは我が同志、「dvdramで撮っておきます」というメールが戻ってきた。
これで安心して眠れる・・・、はずが(この日は休みの割に早起きだったにも関わらず)
明朝早く起きなくちゃ=早く寝なくちゃってプレッシャーで、なかなか眠りに入れなかった。
だから、実はオンエアを観られた気はするのだが。
だが、今だから言うが、もし見ていたら、興奮してしまって余計に眠れなかったかも!


2.トーク番組の司会者の資質について(仮)

率直に言って、第二期トップランナーの「アニメーション作家 富野由悠季」の回以上の
番組でした!

注)第一期トップランナー:司会 大江千里&益子直美
  第二期ドップランナー:司会 田辺誠一&はな
  第三期トップランナー:司会 武田信治&本上まなみ

この番組自体初めて見たのだが(*1)、爆笑問題の頭の良さというか、司会業の慣れといか
そういうものが目立った。
大江千里&益子直美の「トップランナー」は、何度か見たことがあったが、
大江千里も益子直美もある世界の第一人者になったことがあるだけに、
(多分に苦労があった後の成功だろうから)彼等自身の引き出しがたくさんあり、
ゲストのトークを上手く引き出せていた。
対して、田辺誠一&はな(ちゃん)の「トップランナー」は、どうしても司会者の
人間的経験値が乏しくゲストのポテンシャルを引き出せないでいた。
田辺誠一もはな(ちゃん)もモデル出身だから仕方ないというのは短絡的すぎるだろうか?
(別にモデル業に偏見はありません)
(やばい、私のATOKの”へんけん”の変換第一候補は”ヘンケン”だった!
そんなにヘンケン艦長って打ってるかなぁ・・・)
現在のトップランナーもまともに見たことはないが、スタジオの雰囲気と言い、
番組スタイルと言い、なんかスタッフがトップランナーを伝説化して捉えてるようで
いただけません。

(*1)逆リストラではないかと思うほど(=かなりの仕事量を押しつけて自主退社に追い込む)
   ここ1〜2年は遠距離通勤+過度の残業(サービス含む)を課せられ、
   とても深夜番組なんて見られません・・・。


3.御大を斬る!

まず、初めに思ったのは”どうして今頃、富野御大をとりあげるのか?”という単純な
疑問であった。「トップランナー」の時は、言わずもがな映画版∀があったからである。
では今回は・・・?「キングゲイナー」後の新作でもあるのだろうか?と上記(*1)の
ような理由で浦島太郎現象の私は考えていた。

ところがフタを開けてみると、ガンダムマニア・吉見幸洋(GO・JO)による
「機動戦士ガンダム」基礎講座と来たものだ。
これを見た瞬間、この時期のこの番組の意図は、アンチSEEDにあるのではないかと思ってしまった。
SEEDをよく知らないから語る資格もないが、「御大が自ら製作に関わっていない」
かつ「宇宙世紀ものでない」ものは機動戦士を冠することはできない
という暗黙のルールがあったにも関わらず、御大の許しを得てSEEDは機動戦士の称号(?)を
得た。とは言っても、その内容に御大は納得できずに元祖(という表現も陳腐だが)ガンダム系
の世界を世に広め直そうとしているのかと深読みしてしまった。


余談だが、
ガンダムマニアと言われてどういう気分なのだろう?彼がどれほど詳しいのかは知らないが、
中途半端な知識を有していてガンダム好きならば、ガンダムマニアと言われて嬉しいだろうが、
本当にガンダムが好きな(愛している?)人はガンダムマニアなんて冠されても
嬉しくないともうのだが・・・。大体、マニアなんて恐れ多くて名乗れないよね。


さて、ガンダムマニア・吉見幸洋(GO・JO)による解説(勧善懲悪ではない、ニュータイプの概要)
が終わり、「そろそろ、先生にお話をお伺いしますか。こんな感じでよろしいでしょうか?」と
問われると、御大は「勝手に話したら」と、ちょっと呆れモード。
私が感心したのは、よくもまぁ御大の前でガンダムを語れるなと思ったことである。
私には恐れ多くて、そして多分に誤解している部分(←私を含めてファン的な認識が)が
あるだろうから、原作者の前でガンダムの解説なんてできない。

御大は、紹介されると自ら拍手をされていた。トップランナー(以下、TR)の時もそうだったのが、
自ら拍手をして気分を高めているのだろうか?


以下、御大の番組中の発言を中心に考察していく。

「仕事師として言えば、エヴァンゲリオンまで仕事全部自分でやりたかった。」

爆笑問題の、今まで御大が関わってきた作品をあげ、アトムやライディーン等ロボットものが
多かったというのを受けての発言。
超スーパーロボ以降のロボット物の一時代(ザブングル、ダグラム、ガンダム等)を築いた
身としては、それ以降の歴史も自分で作りたかったのだろうか?


「『エヴァ』は潰したい!」

ここまではっきりと言われるとねぇ。
この発言を受け、思い出すのは、TR収録時にディレクターが司会者に「エヴァをどう思うか聞いて!
(という主旨の)カンペを出したこと。
やっぱりあれはまずかったんだよね、と今さらながら納得。スタジオの空気が変わったもん、あの時は。
でも、私のおかげで御大は満足してスタジオを後にできたと自負しているが・・・。


「着る訓練をしています。伊達で着ていません」

絶対、60歳を過ぎた素人・凡人が着るとは思えいないようなド派手な服について、
爆笑問題に突っ込まれた時の発言。
御大が”伊達”と口にすると、「νガンダムは伊達じゃない!」ってアムロのセリフが
思い出される・・・。


4.ガンダムのセリフを斬る!

「ガンダム世代の選んだガンダム名ゼリフ。」という名の下、以下の3つの劇中のセリフが
ピックアップされていたのだが、どれもちょっと的はずれな気が・・・。
そのセリフ場面の映像に入る時の眞鍋かをりの「VTR行きま〜す」っていうので
(多分に言わされたのだろうが)彼女のポイントが少しアップしました(笑)
グラビアアイドル(?)出身ってあんまり好きじゃないんだけどね、普通は。
ガンダムに無知は無知なりで、かなり真剣な眼差しで話を聞いていたので、ちょっとは見直したよ。

「殴られもせずに一人前になった奴がどこにいるものか!」
by 連邦軍 ホワイトベース艦長 ブライド・ノア


普通さ、この場面はアムロの「二度もぶった、親父にもぶたれたこと無いのに!」が選ばれると
思うのだが・・・。眞鍋かをり曰く「有名なセリフですね、アムロ(←イントネーションが安室奈美恵の”あむろ”)君
のセリフは知ってました。」だからねぇ・・・。
本当にガンダム世代の選んだ名ゼリフなんですかねぇ?

ただ単に、御大が2002年に上智大学で講義をしたときに言ったという
「お前が好きかってやることを『才』とは認めない!」を取り上げるために
このブライトのセリフが選ばれたとしか思えない。


「自分の力で勝ったのではないぞ!そのモビルスーツの性能のおかげだということを忘れるな!」
by ジオン軍 宇宙攻撃軍大尉 ランバ・ラル


ここでランバ・ラルに対して衝撃的な発言が!
本能的にランバ・ラルという人をこう設定しました。
子供が欲しかったのにできなかった、という男だ。

えっ?そうなの?と思った。子供が欲しいのはハモンであって、ラルはそうは考えてなかった
と思っていたのだが。ゲリラ屋であるが故に、そして自分の部隊をの連中を養うために
ラルには子供が欲しいという感情は発生していないものだと持っていた。
現に、ハモンとは結婚しているわけではないわけでしょ。んっ?内縁の妻か・・・?
ラル「こんな子が欲しいのか?」
ハモン「まさか」
って問答から以上のような推論に至っているわけだが・・・。

さて、ラルのこのセリフを受け、爆笑問題・太田が
「お前の力で勝ったのじゃない、その武器の性能の良さで勝ったんだぞと言うのは、
まさにこないだのアメリカとイラクの戦争でね、アメリカは武器の性能の良さで
治めただけで、お前等のアメリカ人の文明が上がって紛争を解決したとか、
そんなんじゃ全くない」
と力説して、御大もその通りだと仰っていた。
恐るべし、太田!頭の回転良い!やっぱり田辺誠一とは比べようもないね!


「貴様だってニュータイプだろうに!」
by 連邦軍 モビルスーツパイロット アムロ・レイ

ア・バオア・クーでのアムロとシャアの生身の格闘場面。ここでの名ゼリフは
誰が何と言おうと「ならば同志になれ!」だと思うのだが・・・。
でも、まぁ御大の口からニュータイプについて聞けたのだから良しとしよう!

「し始めは、エスパーみたいなもの超能力者、と言う風な決め方もしてました。
超能力者って言うのを考えていくと、基本的には人間にはそう言う能力は持たされているだろう、
やっぱり思えるんです。
つまり目に現れている能力だけで、人っていうのは済まされるかって言うと
それほど簡単でない、別の力って言うのが出てくる。潜在能力としても出てくるし、
それから火事場の馬鹿力って言い方あります。それからあと第六感で言わてる、
それからあと勘で言われてる能力とかあるんで、もっと新しく人って言うのは
進歩していけるのではないかと、進化していけるのではないかと、
でその進化と進歩に行き着く先が、その先読みできるという言い方にもなっていくんだけども、
もっとあるのは、先読みをできるようするためのベースになる基礎学力って言うのは
何なんだろうかと考えたんです。
その時に『あるものをあるままに理解できる』『誤解をすることなく理解できるという能力を持てれば』
先読みができると言う風に思えるようになりました。」

「『誤解せずに理解し合える関係』って言うのはニュータイプ」

う〜ん、ニュータイプの生い立ちである。今後、このサイトの永久の課題であるニュータイプの解明
に役立つかもしれない・・・。


それよりも、この御大自身のニュータイプ論を受けての御大の次の発言に注目したい。
「何でなんだって言うものすごい大きい意味がわかればボンとわかれば、
もうウォータフロントはないよね、みたいなところへスポっと話が行くかもしれない。」


御大、どうして今ウォーターフロントなんて言い出します?
深読みの私としては、エヴァのみでなくパトレイバーにも御大の鋭い視線は注がれていたのかと
勘ぐってしまいます。ウォーターフロントなんて言ってるのパトレイバーくらいじゃん!(断定しすぎ?)


5.富野コンテを斬る!

なんてな。
番組中、御大がコンテを描いてるシーンが挿入されたが、それがかねて噂のあった(らしい)
Z総集編のものらしいと、巷(ネット上?)では盛り上がってるらしい。
確かに番組中盤に挿入されたコンテは、サングラスといい髪型、そしてノーマルスーツらしき
ものを着ていたのでクワトロと見受けられたが、番組冒頭の女性コンテは誰だったのだろう?
今もHDDレコーダーを一時停止して確認しているが、一瞬フラウ・ボウやミライに思えるのだが、
着ているものはノーマルスーツというよりもパイロットスーツだし。
Zというなら、エマ、レコア、ファが考えられるが、誰にも見えない。フォウでもないし。

でも今さらどうして、Zなの?あんなに自身で酷評していたのに!

そしてもっとも気になることは、
 主題歌は「Z刻を越えて」なのか「水の星に愛をこめて」なのかということ。
私としては、「水の星に愛をこめて」に期待しているが。
ちなみに、2005年がZの20周年ではなかろうか?公開はその頃か?



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